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部活動の地域展開(地域移行)保護者向けFAQ|会費・送迎・大会

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本記事では、部活動の地域展開(地域移行)について保護者から寄せられやすい疑問に、国のガイドラインと全国の自治体の事例をもとに一問一答で答えます。

会費や送迎の方法は市区町村ごとに異なるため、紹介する金額や仕組みは、国の目安と各自治体の実例として読んでください。

【本記事における名称について】本記事では、文部科学省のガイドラインに基づく正式名称「地域展開」を基本として使用します。ただし、現場での認知度を考慮し、「地域展開(地域移行)」と旧称を併記します。

SECTION 01何が変わる?地域展開(地域移行)の基本

部活動の地域展開(地域移行)とは何ですか?

部活動の地域展開(地域移行)とは、学校の部活動で行ってきたスポーツや文化芸術の活動を、地域の団体などが運営する「地域クラブ活動」へ移していく取組で、運動部だけでなく文化部も対象です。

国はもともと「地域移行」と呼んでいましたが、学校の中だけで支えてきた活動を地域に開き、地域全体で支えてより豊かで幅広い活動を目指すという考え方を正確に表すため、名称を「地域展開」に改めました。

地域クラブ活動に移ったあとも、学校施設を使ったり学校と情報を共有したりと、学校は地域の一部として関わり続けます。

なお、学校の部活動のまま部活動指導員を置いたり、近くの学校と合同で活動したりする取組は「地域連携」と呼ばれ、地域展開(地域移行)とは区別されています。

いつから始まりますか?

国のガイドラインは、令和8年度から令和13年度までの6年間を「改革実行期間」と定め、休日の部活動はこの期間内に原則すべてで地域展開(地域移行)を実現することを目指しています。

平日については、国が実現できる活動の在り方や課題への対応策を検証している段階で、令和10年度までの前期が終わる時点の中間評価で、改めて方針が示されます。

取り組む時期や種目の順番は市区町村ごとに違うので、お住まいの地域の予定は、学校や教育委員会からのお知らせで確かめてください。

なぜ部活動が地域に移るのですか?

大きな理由は、少子化で1つの学校だけではチームを組みにくくなっていることと、学校の先生だけに頼る指導体制を続けられなくなっていることの二つです。

スポーツ庁の資料によると、中学生世代の人口は2023年の約322万人から、2033年には約259万人まで減る見込みです。

学校における働き方改革の必要性も高まっており、休日を含めた部活動の指導を先生だけで担い続けるのは難しい状況です。

そこで、子どもたちが将来にわたってスポーツや文化芸術に親しめる機会を守るために、地域の人材や施設を生かし、地域全体で活動を支える仕組みづくりが進められています。

今までの部活動と何が違いますか?

主に変わるのは、指導する人、一緒に活動する仲間、活動する場所、かかる費用、けがをしたときの補償の五つです。国のガイドブックにある比較をもとに整理すると次のとおりです。

項目学校部活動地域クラブ活動
指導者その学校の先生地域の指導者(希望する先生が指導する場合もある)
参加者その学校の生徒地域の生徒(ほかの世代と一緒に活動する場合もある)
場所その学校の施設学校施設、社会教育施設、公共のスポーツ・文化施設、地域の団体や民間事業者が持つ施設など
費用用具や交通費などの実費できるだけ安く設定された参加費、保険料、用具などの実費
補償災害共済給付(日本スポーツ振興センターが医療費などを給付する制度)各種保険など
学校部活動と地域クラブ活動の違い(創設・運営ガイドブックに基づく)

これまで同じ学校の仲間だけで活動していたのに対し、他校の生徒やほかの世代の人と一緒に活動する機会が増えることも、地域クラブ活動の特徴です。

学校の先生はもう教えてくれないのですか?

学校の先生が地域クラブ活動で教えることもでき、その場合は、学校の仕事とは別に地域クラブで指導するための「兼職兼業」の許可を受けて指導します。

国は、市区町村の認定を受けた地域クラブ活動については、学校運営に支障がない限り積極的に許可するよう教育委員会などに求めています。

一方で、先生本人の意思を尊重し、指導を望まない先生が参加を強いられることのないよう十分に確認することも、あわせてガイドラインに明記されました。

今の顧問の先生が地域クラブ活動でも教え続けるかどうかは、先生一人ひとりの希望や学校の状況によって変わります。

平日の部活動はなくなりますか?

平日の在り方は国が検証を進めている段階で、当面は「平日は学校の部活動、休日は地域クラブ活動」という組み合わせで活動する形も想定されています。

その場合も、市区町村の認定を受けた地域クラブ活動では、学校の部活動と地域クラブ活動を合わせた1週間の活動時間を11時間程度の範囲内に収める必要があります。

平日の部活動を学校で続けるか、平日も地域クラブ活動にするかは地域によって異なるため、お住まいの市区町村の方針を確かめておきましょう。

SECTION 02月謝(会費)はいくらかかる?

地域クラブの月謝はいくらですか?

国が示す参加費のイメージは、休日に週1日、月4日程度活動する場合で、月額1,000円から3,000円程度です。

あくまでイメージのため、地域の実情や活動の回数、種目の特性などによって、月額数百円程度や月額4,000円程度に設定されることもあり得ます。

自治体の判断によっては、参加費を集めずに全額を公費で賄う形も考えられます。

市区町村の認定を受けた地域クラブ活動では、活動を続けるのに必要な範囲で、できるだけ安い参加費にすることが要件の一つになっており、国は自治体ごとに負担の水準が大きくばらつかないよう目安を示すとしています。

実際の自治体の会費はいくらですか?

スポーツ庁の令和6年度の事例集から、会費の金額が分かる自治体の例を紹介します。

自治体会費
千葉県柏市年会費5,000円、月会費2,000円
長崎県長与町月会費3,000円
岐阜県白川町年会費1,000円、各種目の活動会費3,000円/月
会費の金額が分かる自治体の例(スポーツ庁事例集に基づく)

会費の集め方は自治体によって違い、年会費と月会費を組み合わせる例や、種目ごとに活動会費を設ける例が見られます。

お住まいの地域の会費は、学校や市区町村から届く募集のお知らせで確かめてください。

会費のほかにかかるお金はありますか?

国のガイドブックが地域クラブ活動の費用を「可能な限り低廉な参加費、保険料、用具等の実費」とまとめているように、会費のほかに保険料や用具などの実費がかかります。

用具や交通費などの実費は学校の部活動でもかかっていたもので、新しく加わるのは主に会費と保険料です。

大会に出るときの交通費や宿泊費は自治体が補助している例もあります。

家計が苦しい場合の支援はありますか?

国のガイドラインは、家庭の経済格差が子どもの体験格差につながらないよう、経済的に困っている世帯の生徒への支援を確実に行う必要があるという方針です。

例えば、千葉県柏市では、生活保護世帯や就学援助の対象世帯などの生徒を対象に、年会費5,000円と月会費2,000円を支援する制度を設けました。

申請は、地域クラブ活動への入会時に保護者が運営団体へ手続きを委任し、運営団体が市に申請する流れで、個人情報の扱いに配慮した仕組みです。

支援の有無や申請の方法は自治体ごとに異なるので、就学援助を受けている場合は、学校や市区町村の担当窓口に問い合わせてみてください。

SECTION 03送迎や活動場所はどうなる?

練習場所はどこになりますか?

地域クラブ活動の場所には、中学校などの学校施設のほか、社会教育施設や公共のスポーツ・文化施設、地域の団体や民間事業者が持つ施設が使われます。

国は、市区町村の認定を受けた地域クラブ活動に対して、学校施設や公共スポーツ施設などを優先して使えるようにしたり、使用料を減らしたり免除したりする支援を促しています。

複数の学校の生徒が1か所に集まって活動する場合などは、自分が通う学校以外の場所まで移動することになります。

送迎は保護者がしないといけませんか?

活動場所が自分の学校以外になる場合について、国のガイドラインは生徒の移動手段を確保する必要があるとし、スクールバスなど既存の送迎車両の活用や、地域の公共交通との連携を例に挙げています。

例えば、香川県東かがわ市では、市が保有するスクールバスで合同部活動や地域クラブ活動への移動を支えています。

ただし、保護者の送迎が残る地域もあるため、入会前に移動の方法を確かめておくと安心です。

SECTION 04大会や高校入試への影響は?

地域クラブから大会に出られますか?

日本中学校体育連盟(中体連)が主催する全国大会や、吹奏楽・合唱の全国コンクールは参加の規程が見直され、地域クラブに所属する生徒も参加できるようになっています。

一方、全国大会以外の大会では規程の見直しが検討段階の場合もあり、地域クラブ活動の参加者が大会に出られない例も見受けられます。

国のガイドラインは、大会の参加資格を学校単位に限らず、特に市区町村の認定を受けた地域クラブ活動が確実に参加できるよう、参加規程を見直す必要があるとしています。

例えば、長崎県長与町では、バスケットボールの地域クラブが中体連の総合体育大会に地域クラブ活動として出場しました。

出たい大会がある場合は、入会を考えているクラブがその大会に参加する予定かどうかを、クラブが公表する年間の活動計画で確かめておきましょう。

大会の交通費や宿泊費は自己負担ですか?

学校の部活動の生徒に大会の交通費や宿泊費を支援している自治体に対して、国は地域クラブ活動の生徒にも同じように支援するよう努めることを求めています。

例えば、新潟県阿賀野市では、地域クラブ活動の生徒が中体連の主催・共催大会に出る際の交通費と宿泊費を全額補助しました。

自己負担になるかどうかは自治体によって異なるため、大会の前にクラブや市区町村に確認してください。

平日の大会に出ると学校は欠席になりますか?

国のガイドラインによると、地域クラブ活動から平日の大会に出る場合も、学校の部活動から出る場合と同じように、学校を出席扱いとできます。

地域クラブ活動は、学校部活動の教育的な意義を受け継ぎながら、中学生にスポーツや文化芸術の機会を届ける公的な性質を持つ活動と位置づけられているためです。

出席扱いに「できる」という示し方のため、大会の日程が分かった段階で、学校に伝えて扱いを確かめておきましょう。

高校入試で不利になりませんか?

国のガイドラインは、学校の部活動と地域クラブ活動で、高校入試での取扱いに差が生じないよう十分に留意することを求めています。

部活動や地域クラブ活動に参加していないこと、途中でやめたこと、ほかの活動に移ったことなどだけを理由に不利に扱うのは適切でない、とも明記されています。

活動を評価に使うかどうかや評価の方法、観点は、高校入試の実施要領や各高校のホームページで分かりやすく示すことになっているので、志望校が決まってきたら確かめておきましょう。

SECTION 05けがや指導の安全面は大丈夫?

けがをしたときの補償はどうなりますか?

学校の部活動でのけがは災害共済給付の対象でしたが、地域クラブ活動は学校管理下の教育活動ではないため、各種保険で備えることになります。

市区町村の認定を受けた地域クラブ活動では、参加する生徒と指導者などが、自分のけがを補償する保険と、個人賠償責任保険の両方に入っていることが要件です。

国のガイドラインが例に挙げるスポーツ安全協会の「スポーツ安全保険」はこの二つを兼ね備えた保険で、活動中の事故に加えて、団体が指定する集合・解散場所と自宅との通常の経路を往復する途中の事故も補償の対象になります。

保険の種類や加入の流れは、以下の記事もあわせてご覧ください。

指導者は信頼できる人ですか?

市区町村の認定を受けた地域クラブ活動では、指導や見守りに携わる人が、市区町村の定める研修を受けて登録されていることが要件の一つです。

登録にあたっては、暴力・暴言・ハラスメントなどを自ら行わず、生徒同士のこうした行為も許さないと誓約する必要があり、過去に暴力・暴言・ハラスメントなどの行為や性犯罪歴などがあり、指導者として不適切な人は登録できません。

活動には原則として複数の指導者などが携わり、それが難しい場合でも、市区町村の職員やコーディネーターなどの巡回によって、事故や不適切な行為を防ぎます。

練習が今より長く厳しくなりませんか?

市区町村の認定を受けた地域クラブ活動には、週2日以上の休養日を設け、活動時間を平日は1日2時間程度以内、休日は1日3時間程度以内、1週間で11時間程度の範囲内にするという要件があります。

また、競技性や成果だけに偏らず、生徒が生涯にわたってスポーツや文化芸術を楽しめる力を育てることが、認定を受ける活動の目指す姿として定められています。

活動日や休養日、参加予定の大会を載せた年間と毎月の活動計画を作って公表することにもなっているので、入会前に計画を見て、家庭の予定と両立できるかを確かめられます。

困ったときはどこに相談すればいいですか?

地域クラブ活動は学校管理下の教育活動ではないため、活動中のトラブルやけがについては、まず地域クラブの運営団体が公表している連絡先に相談します。

国のガイドブックも、平日の部活動と休日の地域クラブ活動の違いが分かりにくく、誰に相談すればよいか分からないという保護者の声を紹介したうえで、運営する側に連絡先や窓口をしっかり公表するよう呼びかけています。

ガイドラインは自治体や運営団体に相談窓口の整備も求めており、会費の支援や制度そのものについての疑問は、市区町村の担当部署に問い合わせるのが確実です。

SECTION 06地域クラブに入るかどうかの判断

必ず地域クラブに入らないといけませんか?

地域クラブ活動に必ず入らなければならないわけではなく、国のガイドラインは、部活動はすべての生徒が一律に加入すべきものではないとして、生徒の意思に反して強制的に加入させないよう求めています。

反対に参加したい生徒については、市区町村の認定を受けた地域クラブ活動は選抜などを行わず、参加を希望する生徒を広く受け入れることが要件です。

障害のある生徒や運動・文化芸術活動が苦手な生徒も含め、すべての生徒が希望に応じて多種多様な活動に参加できる環境を整えることが、地域展開(地域移行)の理念です。

地域クラブの情報はどこで分かりますか?

市区町村が学校と連携して、小学校高学年での体験会や中学校入学時のオリエンテーション、アプリなどを通じて地域クラブ活動の情報を届けることが、国の認定制度で促進する取組として示されています。

認定を受けた地域クラブ活動は、例えば「○○市認定地域クラブ活動」のように表記することが考えられるとされており、お知らせの中でクラブを探すときの目印になります。

進み方は地域によって違うので、学校から配られるお知らせや市区町村のホームページをこまめに確かめると、募集や体験会の時期を逃しにくくなります。

SECTION 07まとめ|保護者が確かめたい三つのこと

休日の部活動が地域クラブ活動に変わると、指導者や場所、費用、補償の仕組みが変わりますが、国は会費をできるだけ安くすることや困窮世帯への支援、大会参加や入試での公平な扱いを求めています。

具体的な金額や方法は市区町村ごとに違うので、次の三点を確かめてください。

  • 1. 会費と支援制度:月額はいくらか、困窮世帯への支援があるか
  • 2. 活動場所と移動手段:どこで活動し、スクールバスなどの移動手段があるか
  • 3. 大会と保険:出たい大会に参加する予定があるか、どの保険に加入するか

まずは学校から届くお知らせや市区町村のホームページで、お子さんが興味を持つ種目の地域クラブ活動を一つ探すことから始めましょう。

SECTION 08参考資料URL

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