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高校の部活も地域展開(地域移行)の対象?いつから・どこまでか解説

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本記事では、文部科学省のガイドラインをもとに、高校が改革の対象になるのか、いつから影響があるのか、中学校で地域クラブ活動に参加した場合の入試の扱いまでを整理します。

【本記事における名称について】本記事では、文部科学省のガイドラインに基づく正式名称「地域展開」を基本として使用します。ただし、現場での認知度を考慮し、「地域展開(地域移行)」と旧称を併記します。

SECTION 01高校の部活はなくなるのか|国の方針

改革の主な対象は公立中学校等

文部科学省が令和7年12月に公表した「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」は、公立の中学校と特別支援学校中学部の生徒の活動を主な対象としています。

高校(中等教育学校の後期課程と特別支援学校の高等部を含む)については、ガイドラインの内容も参考にしながら、学校の実情に応じて必要な取組を進めることが望ましいという位置づけです。

ただし、ガイドラインの「学校部活動の在り方」の章だけは、国立・私立を含む中学校と高校の部活動全体が対象で、その際も高校では中学校までの教育を土台に各学校で多様な教育が行われている点に留意するとされています。

なお、ガイドラインでは、生徒のスポーツ・文化芸術活動を学校部活動から地域クラブ活動に広げることを「地域展開」といいます。

学校部活動に部活動指導員を置いたり、複数の学校で合同部活動を行ったりする取組は「地域連携」と呼んで区別しており、本記事でもこの二つを分けて説明します。

部活動の位置づけは変わったのか

令和6年12月には、学校で教える内容の基準である学習指導要領の解説が改訂され、高校の解説(総則編と保健体育編)にも部活動の位置づけが書き加えられました。

追記されたのは、部活動は教育課程外の活動で、設置や運営は法令上の義務ではないため学校の判断で実施しないこともあること、そして全ての生徒が一律に加入しなければならないものではなく、生徒の自主的・自発的な参加で行われるものであることの二点です。

「実施しないこともある」という部分だけを取り出すと廃止の話に見えますが、改訂前後の新旧対照表を比べると、高校の部活動の意義を述べた部分は改訂前と同じ文言で残っています。

残っている記述では、部活動は異年齢との交流の中で生徒同士や教師との人間関係を築いたり、活動を通して自己肯定感を高めたりする、教育的意義の高い活動だとされています。

SECTION 02高校にもかかわる学校部活動のルール

ガイドラインの「学校部活動の在り方」の章は、地域展開(地域移行)が進むまでの間の中学校の部活動に加えて、国立・私立を含めた高校の部活動の在り方も示しています。

章の内容は多岐にわたりますが、高校の部活動に通う生徒や保護者にかかわる主な内容は三つです。

一つ目は活動時間と休養日で、週2日以上の休養日を設け、1日の活動時間は長くとも平日2時間程度・休日3時間程度、週あたりでは11時間程度の範囲内とし、長期休業中には一定期間のオフシーズンを設けるとしています。

学校部活動と地域クラブ活動の両方に参加する場合は、二つの活動を通算した週あたりの活動時間を11時間程度の範囲内に収める必要があります。

二つ目は指導の体制で、部活動の指導は教師以外が積極的に参画すべき業務とされ、部活動指導員などを適切に配置するとともに、生徒数などに応じて部活動の数を見直したり、複数校での合同部活動を検討したりすることが挙げられます。

三つ目は参加の考え方で、部活動は全ての生徒が一律に加入すべきものではなく、生徒の意思に反して強制的に加入させることがないようにと明記されています。

あわせて、暴力・暴言・ハラスメントやいじめなどの不適切行為を未然に防ぎ、起きた場合には学校組織全体で対応することも求めています。

高校については多様な教育が行われている点に留意するとされているため、実際の運用は学校によって異なることがあります。

ガイドラインは校長に対して部活動の活動方針などをホームページなどで公表するよう求めているので、お子さんの学校の方針は、まず学校のホームページで確認してみてください。

SECTION 03高校の地域展開(地域移行)はいつから?

国の期限は中学校等の休日

国は、令和8年度から令和13年度までの6年間を「改革実行期間」とし、令和10年度までを前期、令和11年度からを後期として、前期の終わりに中間評価を行います。

休日については、改革実行期間内に原則としてすべての学校部活動で地域展開(地域移行)の実現を目指し、平日については、国が前期の間に実現可能な在り方を検証したうえで、中間評価の段階で改めて方針を決めるとしています。

この期限はガイドラインが主な対象とする公立中学校等についてのもので、高校について同じような期限は示されていません。

年度ごとの見通しは、別記事「部活動の地域展開はいつから?」で詳しく紹介しています。

高校は今後の見直しの議論を待つ段階

ガイドラインのもとになった「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」の最終とりまとめ(令和7年5月)も、中学校等の生徒を主な対象としたものです。

そのうえで、子どものスポーツ・文化芸術活動は学校段階をまたいで円滑につながることが望ましいとして、公立高校の生徒の活動についても、教育活動の多様性に十分留意しつつ、中学校等の改革の進み具合を踏まえて必要な見直しの議論が行われることを期待すると書いています。

つまり、高校の部活動の在り方は中学校等の改革が進んだあとに議論されることが期待されている段階で、具体的な方針や時期はまだ示されていません。

学習指導要領での部活動と地域クラブ活動の扱いについても、スポーツ庁と文化庁が検討を進めたうえで中央教育審議会に報告する予定とされており、今後の動きは国の発表で確かめる必要があります。

SECTION 04中学生の保護者が知りたい高校入試の扱い

中学校で部活動ではなく地域クラブ活動に参加した場合、高校入試で不利にならないかと気になる保護者の方もいるでしょう。

高校入試での学校部活動と地域クラブ活動の扱いについて、ガイドラインが示す方針は次の四つです。

  • 1. 学校部活動と地域クラブ活動で、高校入試での扱いに差が出ないよう十分に留意する
  • 2. 評価に使うかどうかや評価の方法・観点を、入学者選抜の実施要領や各高校のホームページで分かりやすく示す
  • 3. 部活動や地域クラブ活動に参加していないこと、途中でやめたこと、ほかの活動に移ったことだけを理由に不利に扱うのは適切でない
  • 4. 調査書(中学校が作成して高校に提出する、いわゆる内申書)には、活動歴や大会成績だけでなく、活動から分かる長所や個性、意欲などを書く工夫が望ましい

調査書のほかにも、生徒が自分で書く自己評価の資料や面接、小論文などを使い、入試全体を通じて多面的に評価することも考えられるとしています。

また、地域クラブ活動の運営団体は必要に応じて生徒が通う中学校と情報を共有しますが、高校と直接やりとりをすることは想定されていません。

評価の有無や方法は実施要領や各高校のホームページで示されることになっているため、志望校が決まってきたら、部活動や地域クラブ活動をどう評価するのかを早めに確かめておくと安心です。

大会への参加や費用など、そのほかの疑問は別記事「保護者向けFAQ」でまとめています。

SECTION 05中学と高校をつなぐ地域クラブの事例

地域クラブ活動は中学生を主な対象としますが、国の認定制度の要件でも、小学生や高校生、大人と一緒に活動する多世代の取組を排除するものではないとされています。

実際に、中学生と高校生が同じ場で活動する地域クラブ活動の例もあります。

例えば、沖縄県石垣市では、総合型地域スポーツクラブの中に設けた陸上競技コースで八重山高校の陸上部と連携し、3か月間で11回、中学生と高校生の合同練習会を行いました。

陸上競技コースには小学生1人、中学生11人、高校生14人が参加し、中学生は高校生から学ぶことで、卒業後も高校で一緒に陸上競技をしたいと感じたようだと報告されています。

担当者によると、高校生が率先して小中学生をまとめる様子が見られるようになった一方で、小中高で大会シーズンやテスト期間が異なり、活動時間帯の調整に苦労しているとのことです。

新潟県魚沼市では、夏の大会が終わると部活動を退部して受験勉強に専念するという従来の慣習を地域クラブ活動には持ち込まず、引退を求めていません。

そのため、高校に進学してもその競技を続けたい生徒や、受験勉強の合間に体を動かしたい生徒などが、中学3年生の秋以降も地域クラブ活動に参加しています。

高校の部活動の仕組みがすぐに変わるわけではありませんが、中学校の地域クラブ活動から高校の部活動へ、同じ競技を続ける道は地域の中でつながり始めているといえます。

SECTION 06まとめ|高校の部活で押さえたい三つの点

部活動改革は公立中学校等を主な対象とした改革で、高校の部活動にかかわるのはその一部です。

押さえておきたい点を三つに絞ると、次のようになります。

  • 1. 国が期限を示しているのは中学校等の休日の地域展開(地域移行)で、高校は見直しの議論が期待されている段階
  • 2. 活動時間・休養日などの学校部活動のルールは高校も対象で、部活動は一律に加入するものではない
  • 3. 高校入試では、学校部活動と地域クラブ活動で扱いに差が出ないよう留意することになっている

地域の動きは自治体の推進計画や学校からのお知らせで、入試での扱いは志望校の実施要領やホームページで確かめてください。

SECTION 07参考資料URL

文部科学省「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」(令和7年12月)※別冊資料①を含む

https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop04/list/1405720_00025.htm

「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」最終とりまとめ(令和7年5月)

https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/shingi/039_index/attach/1420653_00001.htm

スポーツ庁「部活動改革に伴う学習指導要領解説の見直し 新旧対照表」(令和6年12月)

https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop04/list/jsa_00104.html

スポーツ庁「令和6年度地域スポーツクラブ活動整備事業(地域スポーツクラブ活動への移行に向けた実証事業)事例集」(令和7年8月)

https://www.mext.go.jp/sports/content/20250901-spt_oripara-000028260_01.pdf

部活動改革ポータルサイト

https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop01/list/1372413_00003.htm

関連ワード

  • 改革実行期間
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