部活動の地域展開|財源確保の方法と自治体事例
- 自治体
この記事では、令和8年度からの国の補助制度の仕組みと補助単価を整理したうえで、参加費の設定、支出の抑制、寄附・企業連携による財源の多角化について、先行自治体の事例とあわせて紹介します。
本記事の補助制度に関する記述は、スポーツ庁・文化庁「令和8年度当初予算(案)及び令和7年度補正予算補足資料」に基づいています。同資料は予算成立前の検討案であり、予算の成立状況等により変更される可能性があります。実務にあたっては、都道府県を通じて示される最新の通知等をご確認ください。
【本記事における名称について】本記事では、文部科学省のガイドラインに基づく正式名称「地域展開」を基本として使用します。ただし、現場での認知度を考慮し、「地域展開(地域移行)」と旧称を併記します。
対象となる子供を「生徒」、活動に係る保護者負担を「参加費」、制度の実施主体を「自治体」と表記します。ただし、国の制度上の用語(市区町村等、地方公共団体 等)は資料の表記のまま用います。
SECTION 01財源類型の全体像
地域クラブ活動の財源は、本記事では次の5類型に整理しています。
| 類型 | 主な特徴 | 調達規模の目安 | 継続性 |
|---|---|---|---|
| ①国庫補助(部活動の地域展開等推進事業) | 活動費・体制整備費等を補助。補助単価・規模感の目安が示されている | 補助単価表・規模感の目安による | 各年度の予算措置による |
| ②ふるさと納税型(GCF) | 使途を明示して広く寄附を募る | 数百万円〜1,000万円規模の例あり | 単発・年度ごとの実施が中心 |
| ③企業版ふるさと納税・民間協賛 | 企業との連携協定等に基づく | 数十万〜数百万円規模の例あり | 協定期間に依存 |
| ④受益者負担(参加費) | 参加者からの継続的な収入 | 会員数と設定額による | 高い |
| ⑤その他(地域貢献型自動販売機等) | 日常の消費行動を通じた小口寄附 | 小規模 | 高い |
このうち②③⑤については、文部科学省・スポーツ庁「部活動の地域展開における地域クラブ活動の創設・運営ガイドブック」が「外部資金獲得方法(例)」として、クラウドファンディング、企業版ふるさと納税、施設設置備品等からの収益を挙げています。
同ガイドブックでは、収入計画の策定にあたり、単一の収入源に依存せず、複数の収入源を確保することが財源の安定性につながるとされています。
参加費等に加え、公的資金、寄附、企業版ふるさと納税、企業協賛、収益還元型の自動販売機等を活用し、財源の多様性を確保することが求められます。
SECTION 02令和8年度からの国の補助制度「部活動の地域展開等推進事業」
「改革実行期間」と国の財政支援
文部科学省は、令和8年度から令和13年度までの6年間を「改革実行期間」と位置づけています。
このうち令和8年度から令和10年度までを「前期」、令和11年度から令和13年度までを「後期」とし、前期の終了時に「中間評価」を実施することとされています。
休日については、改革実行期間内に、原則、全ての学校部活動において地域展開(地域移行)の実現を目指すこととされ、地域の実情等に応じて、できる限り前倒しでの実現を目指すことが望ましいとされています。
現時点で着手していない自治体においても、前期の間に確実に休日の地域展開(地域移行)等に着手することが求められています。
なお、中山間地域や離島をはじめ、特殊な事情により地域展開(地域移行)に困難を伴う場合等には、当面、部活動指導員の配置等を推進することとされています。
改革を進めるための財政支援として、国は令和8年度当初予算案において「部活動の地域展開等推進事業」を計上しています。
同事業は、部活動の地域展開(地域移行)等と地域スポーツ・文化芸術環境の一体的な整備に向け、都道府県、指定都市及び市区町村等が要する経費を補助するものです。
なお、費用負担の在り方については、地域の実情等に応じて安定的・継続的に取組が進められるよう受益者負担と公的負担とのバランス等を検討すること、公的負担については国・都道府県・市区町村で支え合うことが重要であることが、「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」最終とりまとめにおいて示されています。
5つの補助メニュー
| メニュー | 内容 | 補助割合 |
|---|---|---|
| ① | 休日の地域クラブ活動費等の支援 | 国1/3、都道府県1/3、市区町村等1/3 ※1 |
| ② | 地方公共団体の体制整備等 | 国1/3、都道府県1/3、市区町村等1/3 ※1 |
| ③ | 平日も含めた地域展開等の加速化のための重点課題への対応 | 国10/10(定額) |
| ④ | 中学校における部活動指導員の配置支援 | 国1/3、都道府県1/3、市区町村等1/3 ※1 |
| ⑤ | 経済的困窮世帯の生徒への参加費等の支援 | 国1/2、指定都市・市区町村等1/2 ※2 |
※1 都道府県又は指定都市が実施主体の場合は、国1/3、都道府県・指定都市2/3 ※2 都道府県が実施主体の場合は、国1/2、都道府県1/2
補助対象経費の全額が国費で賄われるものではないため、事業計画の段階で自治体の負担分を含めた総額を把握しておくことが求められます。
補助の対象となる経費
メニュー①(休日の地域クラブ活動費等の支援)の補助対象経費は、休日の地域クラブ活動の実施に要する経費です。
人件費、諸謝金、旅費、通信運搬費、印刷製本費、会議費、備品費、消耗品費、借料及び損料、保険料、雑役務費、委託費、補助金が挙げられています(施設整備費は対象外)。
指導者謝金、事務局人件費、旅費、消耗品費等が具体例として示されています。
メニュー②(地方公共団体の体制整備等)は、令和8年度からの改革実施に向けて必要な準備経費です。
令和7年度からの推進体制の整備等に係る費用を補助するもので、コーディネーターの配置、人材バンクの設置・運用、指導者研修、移動手段の確保等が対象として示されています。
補助対象経費の範囲はメニュー①とほぼ同様で、こちらも施設整備費は対象外です。
補助単価(メニュー①)
メニュー①の補助基準額は、①下記の補助単価と、②「休日の地域クラブ活動の実施に要した費用(補助対象経費に係るものに限る)」から「参加費等の収入」を引いた額を比較し、いずれか少ない方の額とされています。
補助単価(1地域クラブ活動当たり年額・単位:千円/スポーツ/文化)
| 区分 | 月4回程度活動 | 月3回程度活動 | 月2回程度活動 | 月1回程度活動 |
|---|---|---|---|---|
| (1)参加生徒数27人以上で指導者を3人以上配置 | 673/691 | 550/569 | 427/446 | 305/323 |
| (2)参加生徒数13〜26人で指導者を2人配置 | 576/596 | 475/494 | 373/393 | 272/291 |
| (3)参加生徒数5〜12人で指導者を1人配置 | 423/443 | 356/377 | 290/311 | 224/245 |
- 参加生徒数が27人以上でも、指導者が2人の場合は(2)、1人の場合は(3)の単価を適用します。参加生徒数が13〜26人でも、指導者が1人の場合は(3)の単価を適用します。
- 参加生徒数は、各月の参加生徒数の年間平均で算出します(小数点以下は切り上げ)。
- 参加生徒数が5人未満の地域クラブ活動は原則として補助対象外ですが、山間地、漁業集落、へき地及び離島で実施している場合等は補助対象とされ、(3)の単価が適用されます。
- 事業実施月数が12月に満たない場合は、単価に「事業実施月数÷12」を乗じた額(千円未満切り捨て)が補助単価となります。
「参加費等の収入」は、「参加した生徒数(人月)×参加費の月額」+「参加した生徒数(実人数)×保険料」として算定されます。
参加費の設定水準が補助基準額の算定に影響する構造となっている点は、収支計画を立てる際に留意が必要です。
体制整備等の規模感の目安(メニュー②)
| 対象 | 規模感の目安 |
|---|---|
| 都道府県・指定都市 | 1団体当たり スポーツ10,800千円程度/文化2,100千円程度 |
| 市区町村等(休日と平日の地域展開に取り組む場合) | 1団体当たり スポーツ7,500千円程度/文化4,500千円程度 |
| 市区町村等(休日のみの地域展開に取り組む場合) | 1団体当たり スポーツ4,800千円程度/文化3,000千円程度 |
なお、指定都市及び市区町村等の体制整備等については、原則、令和8年度に地域クラブ活動の実施が計画されている団体が対象とされています。
令和8年度中に、試行的な地域クラブ活動の実施や体験会の開催などを含め、子供たちを対象にした活動等を実施する予定が全くなく、行政内部での検討等に留まる場合は対象外とされている点に留意が必要です。
補助要件:「認定地域クラブ活動」であること
メニュー①及び⑤は、いずれも都道府県・指定都市又は市区町村等が認定した「認定地域クラブ活動」を対象としています(自治体が自ら地域クラブ活動を運営し、認定したものとみなされる場合、及び認定制度の経過措置により認定を受けたものとみなされる場合を含みます)。
財源確保の検討にあたっては、認定制度の整備・運用が前提となる点をあわせて確認することが求められます。
認定制度の要件や申請フローの詳細は、以下の記事で解説しています。
申請スケジュール(案)
| 時期 | 主な内容 |
|---|---|
| 1月中旬 | 国からの仮申請依頼。交付申請書案・事業計画書案等の作成・提出 |
| 3月 | 国からの内定/選定結果通知、本申請依頼 |
| 4月末 | 交付申請書・事業計画書等の提出期限 |
| 5月 | 国からの交付決定 |
| 翌年2月中旬 | 実績報告書の提出期限 |
| 以降 | 額の確定、請求書の提出、補助金の支払 |
なお、その他の補助要件等の詳細については「別途示す予定」とされています。庁内の財政部局との調整にあたっては、都道府県を通じて示される最新の通知等に基づいて確認することが必要です。
国のガイドラインでは、自治体において、地域のニーズや課題を把握するための協議会の設置や、住民や関係団体等に対して方針を示すための推進計画の策定等の取組を、首長及び教育長のリーダーシップの下で主体的に進めていくことが期待されています。
これらは補助申請の要件として一律に定められているものではありませんが、事業計画の具体化や庁内での合意形成の基盤となるため、庁内の関係部署との連携や、地域のスポーツ・文化芸術団体との協議を早期に開始することが考えられます。
SECTION 03補助金以外の財源確保
受益者負担(参加費)の設定
補助制度に依存しない運営の基本となるのが、受益者負担としての参加費の設定です。
参加費の水準について、国は令和8年度当初予算案の補足資料において、休日に週1日・月4日程度の活動を実施する場合、月額1,000円〜3,000円程度を参加費のイメージとして示しています。
ただし、これはあくまでイメージであり、地域の実情や、実施回数、実施体制、競技種目等の特性などの実態を踏まえ、例えば月額数百円程度や月額4,000円程度とすることなども含め、多様な設定があり得るとされています。
また、自治体の判断によっては、参加費を徴収せず、参加費相当額を自治体が負担し、全て公費負担で運営することもあり得るとされています。
したがって、活動内容、指導者への謝金水準、公費負担の割合により実際の水準は大きく異なるため、自地域の収支構造を踏まえて設定することが求められます。
保護者目線での月謝の相場や費用負担の考え方は、以下の記事で解説しています。
受益者負担の先行自治体による事例
長崎県長与町:卓球部では従来から月1,500円程度の活動費を負担していましたが、地域クラブ活動として持続的な運営をするためには、公費負担を加えても月3,000円程度の会費負担が必要でした。
当初は受益者負担への理解を得ることが課題となりましたが、保護者説明会の実施やYouTubeでの動画配信により指導内容や運営の実態を可視化した結果、1年が経過する頃には月会費3,000円が高いという意見はほとんどなくなったとされています。
長野県南佐久郡:令和9年度の受益者負担の本格導入を見据え、保護者アンケートを実施しています。
253人の保護者が回答し、全体の約40%(97人)が月謝の金額は3,000円程度でよいと回答しています。
※アンケートで把握された金額は保護者の許容水準を示すものであり、確定した参加費の額ではありません。
支出を抑えるという選択肢
財源確保は、収入を増やす取組だけで完結するものではありません。自治体による現物支援や減免も、運営団体の収支構造を安定させる方策の一つと考えられます。
新潟県阿賀野市では、中体連主催・共催大会の参加費(交通費及び宿泊費)を全額補助するとともに、市内の全施設における施設使用料の全額免除、学校からの備品の無償貸出しを実施しています。
令和6年度は、下越大会で1人当たり18,649円、県大会で1人当たり40,128円の経済的な支援を実施しました。令和7年度からは、指導者が大会に出場する際の交通費や宿泊費への支援も開始しています。
一方で、大会参加費への支援は全て自治体の自主財源であるため、今後の財源確保が課題とされている点も、あわせて共有されています。
経済的困窮世帯の生徒への支援
受益者負担を導入する際に課題となるのが、家庭の経済状況が生徒の体験機会の差につながることです。最終とりまとめでは、経済的困窮世帯の生徒への支援は確実に措置することが示されています。
国は令和8年度当初予算案において、この支援を独立した補助メニュー(メニュー⑤)として位置づけています。
対象となる世帯は、次のとおりです。
- ① 生活保護世帯の生徒
- ② 住民税非課税世帯の生徒
- ③ ①②に準ずると認められる世帯の生徒(児童扶養手当の支給、市町村民税の減免、国民健康保険法の保険料の減免または徴収の猶予、国民年金保険料の免除、生活保護の基準額に一定の係数を掛けたもの等に該当するものとして、指定都市・市区町村等が認定)
補助基準額は、生徒1人当たり年額24,800円(参加費:年額24,000円=月額2,000円×12か月+保険料:年額800円)を限度額とし、限度額の範囲内で支給した額の合計額の1/2以内の額。
年額24,000円を超える額を参加費として設定している場合は、最大で年額36,800円まで(参加費:月額3,000円)の範囲内で「参加費の月額×12か月+800円」が限度額となります。
自治体独自の支援制度を設計する際は、この要件と既存の就学援助制度等との整合を図りながら検討することが考えられます。
経済的困窮世帯の支援の先行自治体による事例
千葉県柏市:「地域クラブ参加費支援補助金」を設け、生活保護世帯(要保護)、就学援助対象世帯(準要保護)、社会的擁護施設等に入所する生徒を対象に、年間登録費5,000円と月会費2,000円を支援しています。
令和6年度は266人の生徒に支援を実施しました。申請にあたっては、運営団体が入会時に補助金申請手続き等に関する委任及び同意を受けることで、個人情報の取扱いに配慮した仕組みを設けています。
北海道北見市:就学援助世帯を対象に、認定地域クラブの活動に必要な月会費や用具購入費等のクラブ活動費を支給しています(上限:年30,150円)。
長崎県長与町:「地域スポーツ活動サポート基金」を活用し、経済的な事情がある世帯に対して月会費2,000円の支援を実施しています。
受益者負担と公的な支援を組み合わせることは、家庭の経済状況にかかわらず生徒が活動に参加できる環境を整えるうえで、有効な方策の一つと考えられます。
【事例】補助金以外の財源確保の3類型
ガバメントクラウドファンディング(GCF)の活用
茨城県守谷市では、公的支出だけでは難しい地域クラブ活動の運営費の一部を賄うため、ふるさと納税型クラウドファンディングに取り組んでいます。
| 実施年度 | 実施期間 | 寄附金額 | 支援者数 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 令和5年11月22日〜令和6年2月19日 | 5,691,000円 | 237人 | 114% |
| 令和6年度 | 令和6年10月3日〜12月31日(90日間) | 10,094,500円 | 439人 | 202%(目標5,000,000円) |
寄附金は守谷市教育文化振興基金へ積み立て、次年度以降の予算に充当する仕組みとしています。
使い道としては、部活動にはない新しいスポーツ競技のクラブ創設費用、各種目の専門コーチの雇用費用、指導者講習会の開催費用、備品の購入費用などが挙げられています。
実施にあたっては、地域クラブ活動を所管する生涯学習課と、ふるさと納税を所管する財政課との調整に最も時間を要したとされ、実施時期・期間・目標金額・利用サイトなど決定事項が多いため、2年間の計画とするなど余裕をもった準備が必要であるとの知見が共有されています。
1回目(11月〜2月)と2回目(10月〜12月)で寄附額に差が生じた要因として、寄附が集中する時期に合わせた実施時期の調整が挙げられています。
一方、課題として、クラウドファンディングで集まる金額は地域クラブ活動の全体経費の10%程度であり、企業版ふるさと納税やその他の財源確保策を並行して検討する必要があるとされています。
企業版ふるさと納税・民間企業からの寄附
長崎県長与町では、企業との連携協定を締結し、三井住友海上火災保険株式会社より企業版ふるさと納税として200万円、株式会社Sports&Worksより10万円の寄附を受けています。
また、町内の企業からも、地域クラブ活動への支援として毎年30万円の寄附を受けています。
都道府県レベルの取組としては、富山県が、中学生や高校生のスポーツ・文化芸術活動の機会を確保し、生徒により良い環境を提供することを目的として、学校の部活動や地域クラブ活動に協力する企業を登録する制度を設けています。
令和7年7月時点での登録団体数は24団体で、バドミントン種目では企業人材による指導や消耗品等の支援、指導者の遠征費等の補助も受けています。
企業連携にあたっては、地域クラブ活動に不足しているものを企業側に一方的に求めるのではなく、企業側が得られるメリット(地域における企業の信頼性向上、自社ブランドやサービスの認知拡大、人材採用・定着に関する好影響、人材育成機会の提供等)を整理した上でマッチングを図る必要があるとされています。
また、企業からの支援を継続的なものとするためには、「支援効果の可視化」と「定期的なコミュニケーションによる関係構築」が重要とされ、活動報告書やSNSでのスポンサー紹介による支援の見える化、ロゴの掲載位置やSNSでの紹介回数といった最初の約束を確実に守ることなどが挙げられています。
地域貢献型自動販売機などの取組
北海道安平町では、北海道教育委員会、安平町、NPO法人アビースポーツクラブ、飲料メーカーが連携し、「地域貢献型自動販売機」を設置しています。
この自動販売機の売上の一部が地域クラブ活動の運営団体へ寄附される仕組みで、学校(地域開放部分)や役場庁舎、町民センターに設置されています。
地域住民が、地域クラブ活動の指導や運営という形だけでなく、飲料を購入することで活動を支援できる点に特徴があります。
安平町では、さらなるクラブ運営費の財源確保に向け、民間企業との連携手法について継続的に検討しています。
SECTION 04財源を確保した後の経理・会計上の留意点
複数の財源を組み合わせる場合、適切かつ効率的な経理事務を行い、透明性を高めることが求められます。ガイドブックでは、次の点が示されています。
公的資金の取扱い
- 補助金等の公的資金と自己財源等は明確に区別して管理する必要があります。
- 公的資金である補助金等の実績報告書には、収入・支出・活動内容等を明記する必要があり、それらの整合性が求められます。
- 活動回数の過大報告、領収書の不足、不適切な支出等が発生した場合には、補助金等の返還が求められるケースもあります。
- 補助金交付要綱等に定められていない経費は計上しないよう、十分な注意が必要です。
参加費等の管理
- 参加費等の集金は、可能な限りキャッシュレス(口座引き落とし等)で対応することにより、現金収受のトラブルを防止できます。
- 経費精算については領収書(原本)の添付を義務付けることが求められます。
- 1人の運営スタッフ等が集金と支払の両方を兼務しないこと、代表や副代表等の責任者への月1回の帳簿確認報告を実施することなど、二重のチェック体制を整備することも重要とされています。
よくあるトラブルの例としては、現金での集金が多く収受確認が困難になるケース、指導者謝金の源泉徴収漏れ、指導備品購入を個人のクレジットカードで行い領収書が残らないケース、補助金や委託料における対象外経費の計上などが挙げられています。
SECTION 05まとめ:持続可能な地域クラブ活動に向けて
国の補助制度は、地域展開(地域移行)を支える中心的な財源です。
一方で、補助対象経費・補助割合・補助単価はいずれも各年度の予算措置に基づくものであり、将来にわたって同一の水準が継続することを前提に収支計画を組むことは適切ではないと考えられます。
ガイドブックが示すとおり、単一の収入源に依存せず複数の収入源を確保することが、財源の安定性につながります。
適正な参加費の設定と経済的困窮世帯への支援を基盤としながら、施設使用料の減免や備品の貸出しによる支出の抑制、ふるさと納税や企業連携による外部資金の獲得を組み合わせて設計することが求められます。
あわせて、補助割合に伴う自治体負担分を含めた収支構造を早期に把握し、庁内での合意形成を進めておくことが、持続可能な運営につながると考えられます。
自治体担当者向けの実務の進め方全体は、以下の記事で4ステップに整理しています。あわせてご覧ください。
SECTION 06参考資料URL
- 部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン(令和7年12月)
- 部活動の地域展開における地域クラブ活動の創設・運営ガイドブック(令和8年3月)
- 「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」最終とりまとめ
- スポーツ庁「令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業事例集」(令和7年8月公表)
- スポーツ庁・文化庁「令和8年度当初予算(案)及び令和7年度補正予算補足資料」
- 部活動の地域展開等の全国的な実施(令和8年度当初予算)
本記事の情報基準日:2026年7月31日
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